英語のCOMPANYは、仲間、友達、会社などと
いう意味ですが、COM-は共に、Pan-はパンを
という語源からできています。
つまり、共にパンを食べる・・・という意味が
語元なのです。
パンが日本にやってきたのは16世紀、ポルト
ガル人が種子島にやって来た時にもたらされま
した。
それまでは中国・朝鮮経由で到来物がやってき
た訳ですから、パンはそれ以外の国からきた初
めての外来語になるわけです。
さて、このパン、あの童話作家アンデルセンに
かかるとこうなります。彼は、熱心なクリスチ
ャンでしたが、こんな童話を残しました。
「パンを踏んだ娘」です。
昔、ある村にインゲルというとても美しい娘が
いました。生まれたときから美しいので、家の
仕事もせず、鏡ばかり見て暮らしていました。
両親は心配して彼女を裕福な家に奉公させるこ
とにしました。
奉公先の家でも彼女はわがままに振る舞い、仕
事に励むこともありませんでした。
それでもその家のご主人たちはやさしく接して
くれていました。
ある時、彼女が里帰りすることになった時も、
パンを焼いて持たせてくれました。
彼女はパンをかかえて家に向かいましたが、さ
きほどまで降っていた道に大きな水たまりがで
きていました。彼女はドレスを汚したくなく、
持ってきたパンを浅いところに投げ、その上を
踏んで通り過ぎようとしました。
ところが、彼女がパンを踏んだ瞬間、そのまま
パンとインゲルは地中深くに沈んでいってしま
いました。
彼女は地獄へと落ちてしまったのです。
待っていた両親が探しあてたのは、水たまりの
中のパンだけでした。彼女が消えたこの話は村
の誰もが知ることになりますが、それを知った
一人の信心深い娘はインゲルが戻って来れるよ
うに死ぬまで祈りを捧げました。
神様はその娘の死後、ようやくインゲルを灰色
の小鳥の姿に変え、この世に戻しました。
それからというもの、小鳥はパンのくずを食べ
て暮らし、他の鳥にもそれを分けてあげました。
村娘がインゲルを生まれ変わらせたのです。
小鳥が分け与えたパンくずの量が、踏んだパン
の量と同じになった時、神様はインゲルを天国
にあげてくれました。
キリスト教では、パンはイエスの肉体そのもの
なのです。
ちょっと怖いけど、いい話でしたね。
===========Hiro=============