英語のプチ教養の第2弾です。
「目からうろこが落ちた人」をご存じですか?
この話表れたのはなんと、聖書の中です。
そしてもっと驚くことは、うろこをかぶせた人がイ
エス・キリストだったということです。
キリストが人の目にうろこをかぶせたなんて・・・
では、その話を紹介しましょう。
時はイエス・キリストが処刑されその後「復活」を遂
げたしばらく後のことです。その頃はローマ帝国の圧
力が強く、キリストの信者たちは各地で弾圧されてい
ました。
ヘブライ人でありながら、信者を迫害していたサウロ
はダマスカス(今のシリアの首都)にキリスト教徒を
連行し殺害する目的で旅をしていました。その道中、
真昼の太陽よりまぶしい光がいきなり周囲を照らし、
サウロは地に倒れました。耳には「なぜ私を迫害する
のか」とヘブライ語で呼びかける声が聞こえました。
「あなたはどなたですか」と聞くと、声の主はイエス
と名乗りました。起き上がったとき、サウロは目が見
えなくなっていました。
サウロは人に手を引かれてダマスカスにやってきまし
た。
その町に住んでいたイエスの弟子の一人、アナニアは
サウロのもとを訪ね、彼のために祈りを捧げました。
すると、サウロの目からうろこ(Scales)のようなもの
が落ち、元のように目が見えるようになりました。
サウロは、これはイエスが自分の過ちを直すためにし
たことだと直感しました。劇的な改心をしたサウロは
アナニアから洗礼を受け、それからはキリストの教え
を広める宣教使徒として努めます。かれはその後、新
約聖書の3分の1を書いたそうです。
SaulはPaulともよばれ、紀元67年に殉教しましたが、
ロンドンのセントポール大聖堂は彼のために建てられ
ました。また世界各地にセントポールと名付けられた
都市があります。
日本の立教大学も英語名はセントポール(Saint Paul)
ですね。創設者のウイリアム司教が名付けたそうです。
先ほどのエピソードから「目からうろこが落ちる」、
(The scales fall from a person's eyes) つまり、
なにかのきっかけで事の真相や本質が分るようになる
ということわざが生まれた訳です。
この話、目からうろこでしたか?
原文 黒須和土氏
週間ジャパンタイムズ STより
==========Hiro==============